2013年12月13日星期五

逆流性食道炎の原因

現代の日本では食生活の多様化から、さまざまなものを自由にいつでも食べることができます。甘いものやファーストフードなど、食事も欧米化の影響を受け、高カロリー高脂質のものが多くなっています。いつでも量も気にせずに食べることもできるようになりました。食生活の変化とともに、日本人の健康も変化し、逆流性食道炎に苦しむ方が増えています。


逆流性食道炎の原因


逆流性食道炎の主な原因として考えられるものに、胃液の逆流を防ぐ筋力の低下があげられます。胃と食道の間には「下部食道括約筋」があり、胃液や胃の内容物の逆流を防いでいます。しかし、老化や加齢により筋力が低下するとともに機能も低下し、結果として胃の内容物が逆流してしまうのです。下部食道括約筋は、老化による筋力の低下だけでなく、アルコールや脂肪分の多い食事、タバコなどの影響で機能が低下することが分かっています。


次に、食べ過ぎや肥満による逆流もあります。肥満になることで腹圧が上昇し、内容物が逆流してしまうことがあるのです。妊婦さんがかかりやすいのもこのためです。無理な姿勢をしたり、重いものを持ったりした時に力むことによってもおこる方がいます。肥満体型や、きつめの洋服、ベルトを着用することによって腹圧が上がり胃酸が逆流しやすくなることもあります。妊婦は胎児によって胃が押し上げられ、負担がかかることにより逆流性食道炎になることもあります。


また、胃酸の過剰分泌によるものもあります。脂肪分の高いものや甘いものなどは、消化するのに時間もかかるうえ、たくさんの胃酸が必要になります。そこで、逆流しやすくなるのです。


腹部と胸部を仕切っている横隔膜には、食道が通るための「食道裂孔」という穴が開いています。横隔膜に何らかの原因ですき間ができ、そこに胃の一部が上がり食道に近づくことで、胃の内容物が逆流しやすい状態になることがあります。「食道裂孔ヘルニア」という病気です。一度食道に逆流した内容物はなかなか胃に戻りにくく、その場にとどまってしまうため、不快に感じるものです。


別の病気の原因にもなります


井戸水を飲むことが多かった日本人は、ピロリ菌の感染率も高いものでした。ピロリ菌は胃がんの発症に関与していると考えられているため、今まで厄介者とされてきましたが、ピロリ菌の感染率低下にともない逆流性食道炎や食道がんが増加しているともいわれています。ピロリ菌の感染が減ることで、胃酸が増えているからです。


また、逆流性食道炎と食道がんの関係も指摘されています。胃の内部には胃酸に耐えるだけの力がありますが、食道にはありません。逆流性食道炎にかかることによって、食道に胃酸がかかることが増え、繰り返す逆流のため、食道の細胞が破壊と再生を繰り返します。そのうち、その部分が胃の内部に似た組織に変化してしまうのです。これを「バレット食道」といいますが、食道がんとの関係が深いとされています。日本でも逆流性食道炎の増加にともない、バレット食道が急増しています。逆流性食道炎を完全に治療することは、食道がんの予防にもつながるのです。



逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎の予防方法

逆流性食道炎の1番の原因は、毎日の食生活にかかっているといわれます。なぜならば、野菜や煮物中心とした食生活を送っていたかつての日本人には、あまりみられなかった病気だからです。逆流性食道炎は、食生活が欧米化し、脂肪分や肉類の多い食事を摂るようになって増えた、いわば現代病といえます。


逆流性食道炎を予防するには


私たちの体は、毎日の食事からの影響を避けては通れません。野菜中心の食事を摂り、規則正しい生活を送っていた日本人にはあまりみられなかった病気が、いろいろと増えています。それは、逆流性食道炎に限った事ではありません。では予防するのには、どうしたら良いのでしょうか。


何といっても、食事と生活スタイルの改善が欠かせません。脂肪分の多い欧米型の食事を減らし、本来の日本食がそうであるように、食品の種類が多く、バランスの良い食事を心がけるだけでも十分改善されます。脂肪分の多いものは消化をするために、たくさんの胃酸を必要とします。そのため、胃酸の分泌が多くなるのです。逆流性食道炎を引き起こす要因になりかねません。野菜や煮物など、消化の良いものを多く摂るように心がけ、食べ過ぎにも注意が必要です。胃酸の分泌が増えてしまい逆効果です。


また、よくかみ砕くことで消化を助けることができます。ゆっくり食事を摂ることで、胃酸の分泌を抑えることができるのです。夕食と就寝時間までにあまり時間が取れない方は、特に消化の良いものを摂るように心がけ、少なめの量で済ますようにしましょう。アルコール類や香辛料などの刺激の強いものにも注意が必要です。適量を摂取する分には、胃の働きを活発にするのでよいといえますが、何事も適量を超えると害になってしまいます。気を付けましょう。逆流性食道炎は再発の多い病といわれます。食生活が大きく影響するからです。食生活を見直すことは、再発を予防することにつながります。


生活環境も大きく影響


食事後にすぐ横になってしまうことが多い方も、注意が必要です。胃酸が逆流しやすくなるからです。食後すぐに横になることは、避けた方がよいでしょう。夜に横向きで寝る方は、できれば右側を下にし、上体を高めにして寝ることをおすすめめします。胃は右側に腸につながる出口があります。右側を下にして寝ることで、胃の中のものが早く腸に移動するのを助けます。また、前かがみの姿勢やおなかを締め付ける洋服の着用は、症状を悪化させてしまいます。できるだけゆったりとしたものがおすすめです。


胃は「第2の大脳」といわれることがあるように、自律神経の働きに大きく関係しているため、極度のストレスや疲れなどに大きく影響することがあります。人間関係も複雑になり、毎日の生活でついストレスをためがちですが、胃には悪影響です。また、睡眠不足も大きく関係してきます。規則正しい生活を送ることは、健康を守るうえでもとても大切なのです。



逆流性食道炎の予防方法

逆流性食道炎の治療方法

最近若い方にも増えている「逆流性食道炎」ですが、その治療にはいくつかの方法があります。どのような方法が1番効果的なのでしょうか。似たような症状であっても、別の病気が潜んでいることもあります。自分の症状に合わせ、自己判断せずに専門医の診断のもと、きちんと治療することが大切です。また、毎日の生活でも気を付けた方がよいこともあります。


治療方法はさまざま


胸やけや吐き気、喉の違和感など不快感な症状の続く逆流性食道炎ですが、その治療方法にはさまざまなものがあります。市販薬も出てはいますが、一般的には、「胃酸分泌抑制剤」や「制酸剤」「粘膜の保護剤」「消化管の機能改善剤」などの治療薬を服用することが多いようです。


また、漢方薬を服用し治療している方もいます。漢方薬は、症状に合わせた治療を目的とする西洋医学とは異なり、症状だけに着目するのではなく、からだ全体の改善を目的としています。よく使われる薬は、胃もたれや吐き気に効果のある「半夏寫心湯(はんげしゃしんとう)」、せきや喉のつかえなどを抑え、胃炎にも効果のある「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」の2種類です。どちらにしても、1人1人の症状に合わせた薬の服用が大切です。また、長期の服用が必要となり、一旦症状が落ち着いたかのように思い薬の服用を止めてしまう方もみられますが、そのことでかえって症状が悪化してしまうこともあります。勝手な自己判断はせずに、医師の指示に従って正しく服用しましょう。


きちんと治療せずに食道炎を繰り返すことで、食道がんを引き起こす原因にもなり得るといわれています。逆流性食道炎にかかっている方と一般の方とを比べると、10倍近い確率で胃がんの発症がみられるとの報告もあるほどです。アメリカでは、食道がん患者の約半数は、逆流性食道炎を原因として発症したものといわれています。薬の服用や生活習慣の改善、食生活の見直しでもなかなか思うような改善がみられない場合には、内視鏡や腹腔鏡を使った手術をすることもあります。たかが胸やけと放置せずに、専門医の診断を受けきちんと治療しましょう。


食生活の改善とストレスをためないことが大切です


逆流性食道炎は、生活習慣と密接にかかわっており、再発しやすい病であるといわれています。毎日の食生活と深くかかわっているからです。逆流性食道炎の治療には、胃の働きをよくすることがもっとも必要です。


何といっても食事療法は、効果の高い方法で、継続することで今後症状の再発を予防することも可能になります。生活自体を基本から見直すことで、再発を防ぐことが大切なのです。食事や生活に目を向け気にかけた生活を送るだけで、徐々に食事の内容も改善されますし、再発の心配も減ってきます。しかし、なかなか体調の改善がみられない場合もあります。「胸やけ」や「吐き気」の症状をともなうものであっても、逆流性食道炎以外の病気の場合もあるからです。狭心症や食道がんなどです。からだの異変を感じたら、臆することなく専門医の診断を受けるようにしましょう。



逆流性食道炎の治療方法

若者にも急増中の逆流性食道炎とは

「最近胸やけがする」とか、「口の中がにがい」などの症状を感じている方はいないでしょうか。その症状の裏側に、「逆流性食道炎」という病が隠れているのかもしれません。


最近食道炎に悩む方が増化

胃に入った食べ物は、通常胃酸によって消化されます。しかし、本来胃の中にあるべき胃酸が、何らかの原因で食道に逆流することによって、食道の粘膜を傷つけてしまい炎症を起こす病気、これが「逆流性食道炎」です。


もともと、胃には胃酸から粘膜を守る機能がありますが、食道にはこの機能がありません。そのため、食道に胃酸が流れ込むことで炎症を起こし、内壁を傷付けてしまいます。さらに胃液の逆流が繰り返し起こることで、食道の粘膜がただれたり、潰瘍ができたりします。これが「逆流性食道炎」です。近年の高齢化社会や、食生活の欧米化への変化にともない、日本人にも年々「逆流性食道炎」に悩む方が増えてきています。日本における現代病の1つともいわれ、患者数も増加しています。脂っぽい食事を多く摂ると、それを消化するために多くの胃酸が必要になります。そのような食事を続けることで、胃酸の分泌量が常に増えた状態になり、逆流性食道炎になりやすくなるといわれています。


飽食の時代になり、日本人もファーストフードなど欧米の食生活の影響を受け、脂肪分の多い食事や肉類を多く摂る食事に変わりました。それに比例するように、食道炎の患者も増えています。


逆流性食道炎の主な症状

逆流性食道炎の症状や感じ方は人それぞれですが、「胸やけ」や「口の中がにがくなる」「酸っぱいものが上がってくる感じがする」「胸がつかえる感じがする」「のどが変な感じ」などの症状が多くなっています。本来、胃と食道の間にある下部食道括約(かつやく)部で、筋肉が収縮運動を繰り返しています。その括約筋(かつやくきん)が胃酸の逆流を防いでいるのですが、ゆるむことで逆流してしまうのです。以前は、加齢による筋力の低下で、括約筋の弱まった高齢者に多い症状でしたが、最近では若者にも多くこの症状が見られ、注目されています。


もともと食道には、口から入った食べ物をぜん動運動によって胃に運ぶはたらきがあります。食べ物が胃に到着するのには、固形物で30~60秒、液体で1~6秒かかるといわれています。この食道のぜん動運動のおかげで、食事をした後に万が一すぐに逆立ちをしたとしても、食べ物を逆流させることなく胃の中に送り込むことができるのです。しかし、括約筋が弱ってしまってはそうはいきません。胃液が上がってくるような苦みを感じることがある方は、特に注意をし、専門医を受診した方がよいでしょう。欧米では、成人の約4割が逆流性食道炎にかかっているという説もあります。日本でも年々患者が増え、成人の約2割にのぼるともいわれています。症状によっては食道がんの疑いもありますので、内視鏡検査を受けた方がよいでしょう。



若者にも急増中の逆流性食道炎とは

2013年12月12日星期四